第1回 「糖尿病」ってどんな病気?
では糖尿病という病気について理解をするところからはじめましょう。
糖尿病ってどういう病気ですか?と聞かれて、どう答えますか?血糖値が高くなって、肝臓のいろんな数値も高くなって、etc。いやそれはやっぱり内臓の病気じゃないの?などなど、いろんな答えがでてくるでしょう。
ずばり、糖尿病とは「血管の病気」です。これが進行して動脈硬化を引き起こし、様々な合併症から死に至る場合もある、成人病の入り口なのです。
2002年の調査によると、糖尿病の患者数は740万人、さらに潜在的な「予備軍」としては880万人がその可能性があるといわれています。これはこの4,5年で患者数で50万人、潜在患者数で150万人も増加しています。
また、興味深い話として、糖尿病の増加と車の保有率、食事に含まれる脂肪の比率が比例して高くなっているというデータが出ています。これらが示すものは、食生活をはじめとしたライフスタイルの欧米化が原因になっているのではないかという事です。もちろんそれ以外にも様々なストレスの増大などが起因していることもあるでしょう。
また、糖尿病から進行する合併症も時代に伴って変化してきています。かつては糖尿病の三大合併症といえば、網膜症、腎症、神経障害でした。いまでは、心筋梗塞、脳梗塞、壊疽などの動脈硬化性疾患の増加が目立ってきました。この「梗塞」という症状はそのまま死因となる病気です。自覚症状のない糖尿病自体がより危険な病態に進化しているといえるのではないでしょうか。
いずれにしても、この病気を克服することが中高年から熟年期に向かう多くの方にとって最も重要な課題のひとつだと思います。
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