「実習で学んだこと」
愛知医科大学医学部5回生 渡辺 晃大
このたび、私はわたなべ内科クリニック様におきまして、プライマリ・ケア学外実習をさせていただきました。 糖尿病専門クリニックとして、多くの糖尿病患者様に向けた健康増進医療や生活指導、さらには栄養士の方による料理教室も広く提供されていると知り、いかに日常的なサポートが糖尿病の治療において大切であるかを学びました。 午前中は名古屋市栄の「ウェルビーイング栄」において健康診断の見学をさせていただきました。渡邊先生の診察は患者様の話にしっかりと耳を傾け、時に生活面でのアドバイスを行う、というもので、糖尿病治療において極めて重要である「医師と患者がスムーズにコミュニケーションを取れるような信頼関係の構築」を一人ひとりの患者様に対して実践されておられる姿が印象に残っております。 診察の合間などにお話してくださった、渡邊先生御自身の体験談も興味深いものでした。アメリカ留学の経緯や将来の日本の医療の動向、また先生が研修医だった時代と現在の違いについてなど、興味深いお話をしてくださいました。 また、午後の実習ではクリニックに戻り、外来患者様の診察の見学をさせていただきましたが、それに留まらず、実際に2人の患者さんの問診も取らせていただきました。問診を実際に取ることは学生の間になかなかできない貴重な経験ですので、スタッフの皆様方には大変感謝しております。 私はただ今5回生であり、大学病院実習に励む毎日です。その実習の中で様々なことを学んでおりますが、診察やその手技、また入院病棟での治療方法、さらには疾病についての症状など、単純な知識を頭に叩き込むことばかりに奔走しているのではないか、という疑念をこの度の学外実習を通して抱くに到りました。 医師の目指すべきものは、患者様の心身の苦しみ、悩みに対する考察と治療を行うことだけではない。医療を通して、患者様と良好な関係を作り上げることこそが最も求められていることである― このことを再認識することができたことが、このプライマリ・ケア学外実習において最も大きな収穫となりました。 一日のみの短い実習でしたが、多くのことを学ばせていただきました。本当にありがとうございました。