「プライマリケア実習を終えて」

名古屋大学医学科５年　松野　裕里子

　私は３日間わたなべ内科クリニックにて実習をさせていただきました。クリニックの診療の見学だけでなく、訪問診療、講演会や医師会会議の見学もさせていただきました。外来の忙しさを知るとともに、開業医がクリニックの診療以外では何をしているのかも知ることができました。

　実習中、数名の患者さんに直接お話を聞く機会を頂きました。患者さんが気をつけていらっしゃること、直さなくてはいけないことなど、生活習慣を中心にお話を聞かせていただきました。その中で、患者さんがどのように糖尿病を受け入れ、治療していらっしゃるかを学ぶことが出来ました。どなたも詳しくお話を聞かせて下さいました。協力して下さった方々に感謝いたします。

　クリニックの診察の流れの中で、栄養指導がとてもしっかりしていることに驚きました。基礎代謝を測ることから始まり、患者さんの普段の食事を把握して、どこを変えていくといいのか相談にのってくださいます。
　押し付けるのではなく、無理のない範囲のアドバイスで患者さんのモチベーションを高めているところが、大変勉強になりました。

　また、訪問診療も見学させていただきました。御自分の状態を伝えるのが難しい患者さんも多いですが、施設のスタッフの方々と連携し、情報を共有し、事前に準備することでスムーズに診察をなさっていました。患者さんと医師の信頼関係だけでなく、施設と病院の信頼関係、連携の大切さを非常に感じました。

　ちょうどインフルエンザの予防接種時期ということもあり、外来でも訪問診療でも、予防接種が何回も行われていました。疾病予防において、プライマリケアが果たしている役割を実感しました。

　実習で一番印象に残ったのは、渡邊先生の患者さんへの接し方です。患者さんにとても丁寧に応対されるだけでなく、患者さんと同じ目線で患者さんに寄り添ってお話されていました。
　終始優しい物腰で、患者さんが話したいことをしっかり話せるような雰囲気づくりをされているのが感じられました。先生の細やかな心配りは、どれもぜひ自分も実践したいと思うものばかりでした。

　３日間と短い間ではありましたが、糖尿病を専門としたクリニックの特徴を感じることができただけでなく、医者として患者さんにどう接していったら良いのかということを勉強させていただくことが出来ました。
　また、訪問診療から、プライマリケア病院と地域の施設との結びつきの強さを感じました。今回学んだことを是非将来に活かしていきたいと思います。

　わたなべ内科クリニックのみなさま、大変お忙しいのにも関わらず、丁寧に教えてくださって、ありがとうございました。貴重な体験が出来ました。本当にありがとうございました。